リョコウバト

鳥類史上でもっとも多くいた鳥。それがリョコウバト。

 

その数は、推定で約50億羽!。

 

暑い夏の時期は、涼しい北へ大移動。寒い時期は、暖かいメキシコ方面に大移動。

まさに、旅行鳩(リョコウバト)だったのだ。

 

もっとも多い集団では、約2億羽もいたそうだ。もちろん推定

あまりの大移動のために、いろいろな伝説も残っているのだ。

伝説その1

リョコウバトが真上を通ると数日間、太陽が隠れて空は真っ暗になった。

 

伝説その2

大移動中に止まり木で休憩した後は、まっ白な白銀の世界・・・みたいなフンの世界が残されたそうだ。

 

北アメリカに定住したヨーロッパ系の人たちは、広大な森林や野原をつぎつぎに開拓していった。

徐々に生息場所を奪われたリョコウバトたちは、人間の農作物を荒らすようになる。

そうなると農民はリョコウバトを害鳥として殺しはじめたのだった。

 

同じ時期に、東部から西部にかけてユニオン・パシフィック鉄道(大陸横断鉄道)が開通する。

それを利用して大量に殺した鳥を町に運び、いい値段で売りさばいたという。

肉は食料に、羽毛は羽根蒲団の材料になり、そしてあまった死体はブタのエサになった。

一日に一万羽も捕獲する者の現れ、生態は大きく崩れたのだった。

 

そして、1899年に野生の一羽が鉄砲で撃たれて野生は絶滅した。

飼育されていた最後のリョウコウバトは、シンシナティ動物園でマーサと呼ばれ飼われていた。

1914年9月1日午後1時にマーサも死んで、50億羽もいたといわれたリョコウバトは、永久に地球上から消えたのだった。

 

バイバイ、リョコウバト!


 

種類・ハト目ハト科

食べ物・クリやドングリなどを食べていた。驚くほど視力がよく上空を飛んでいても地上のエサは容易に見つけることができた。

大きさ・全長40cm 

生息地・北アメリカの東半分。毎年ほぼ同じ道を通って長距離を渡る、夏は北部地帯で過ごし冬はメキシコ湾沿岸地帯へと渡っていった。