タンチョウ

 

自然が多く残っていた江戸時代には、北海道で繁殖したタンチョウの一部が冬を過ごすために本州まで旅をしていた。

日光や尾瀬の付近で、数は多くないが繁殖していたのではないかという話が残っている。

明治時代になると、近代化の波がタンチョウの世界まで押し寄せる。

棲んでいた湿地や繁殖地が次々に開拓、さらに狩猟規制があったのに無視されて乱獲されてしまったのだ。

1920年頃には「タンチョウは絶滅した」と思われていた。

しかし、1924年に釧路で30~40羽のタンチョウが確認されて復活した。

その後は、1935年(昭和10年)に天然記念物になり、本格的に保護されるようになる。

1950年に家畜用のトウモロコシで初めて給餌に成功する。

その後、特別天然記念物に格上!

そんなタンチョウ達がよく見せる鳴き合いは、オスが「クワー」と鳴くとメスが「カッカッ」とナイスなコンビネーションで2~3回続けて鳴く。

これは、夫婦の絆の確認や子供の誕生、縄張りの宣言などの時に鳴く声なのだ。

写真家が狙っている瞬間だ。

 

頭だけ赤いのは模様では無い。

赤い部分は皮膚なのだ!血が透けて赤いのだ。

さらに怒ると真っ赤になり広がるそうです。

 

一歩足で立つのは、体温が低いため片足を羽毛の中に入れて体の熱が奪われる量を極力減らそうとしているそうだ。

華麗にに見える立ち姿も、ただただ地道な努力をしているだけなのだ。

 

特別天然記念物で保護されているいるとはいえ野生のタンチョウには敵が多い、左からカラス・キツネ・ミンク・オジロワシ・野犬。

カラス・キツネ・ミンク・オジロワシはタマゴやヒナを専門に襲う。

野犬は大人のタンチョウを襲い、ミンクも襲う時があるのだ。

 

タンチョウは『湿原の神様』と呼ばれている。

呼ばれる訳は 動物たちと共存していた北海道の先住民アイヌの人々は、昔からタンチョウを「サルルン・カムイ」と呼んだ。

その意味は『湿原の神様』だ。

そんなタンチョウたちは繁殖地も越冬もほとんど北海道のなかですませるほど北海道が大好きな道産子・丹頂(どさんこ・たんちょう)なのだ。

繁殖地と越冬地の距離も150kmほどと短い。

 

ツルはどのくらい生きるのか?

ツルは千年カメは万年と昔の人は言ったけど、20年寿命説や70年寿命説などハッキリした事はわかっていない。

ちなみにロンドンの動物園で飼育していたゾウガメが161年も生きた記録があるそうだ。

タンチョウツルの輝かしい過去の栄光・・・

2004年に新発行された千円札には、表面に野口英世と裏面に本栖湖の逆さ富士が印刷されている。

だけど、その前の千円札には、表面が夏目漱石と裏面にタンチョウツルが印刷されていたのだ。

 

懐かしい。


残り約1.000羽。

ツル目 ツル科

食べ物・草の根、魚、昆虫、両生類などで雑食性だ。冬の間は人間が用意した給餌場で飯を食べる。

大きさ・背の高さは150cm~160cm、翼を広げた大きさは220cm~240cm、体重は10kg~15kg。

 

生息地・北海道の 水の大地・釧路湿原。