シリアロバ

アラビア半島、北アフリカ、エジプト、スーダン、シリア、イラク、イランなどの広い砂漠地帯を移動しながら生活する遊牧民・ベドウィン。

彼らは、生きるための栄養源としてシリアノロバを狩って生活していた。

 

ロバは、背中に大きな荷物を背負ってノンビリ歩くようなイメージが強いけど、シリアノロは平均で50kmで走り、ムキになれば80kmはでたそうだ。

 

広大な砂漠の中、オアシスからオアシスに移動するには、この俊足が活かされた事だろう。

 

そんなシリアノロを狩る方法は・・・

投げ縄やヤリや弓矢など原始的なアイテムでの狩り方が基本だった。

 

しかし、1914年に第一次世界大戦が始まると、ヨーロッパの兵士が大量に攻め込んで来る。

銃と車の近代兵器でシリアノロバだけでなくベドウィンの人たちも一緒に狩ってしまうのだった。

 

人間同士の争いに巻き込まれたシリアノロバは、短期間で激減してしまう。

そして、野生のシリアノロバは、1927年にサウジアラビア北部のオアシスで銃に撃たれて殺される。

 

その後、オーストリアのウィーン動物園に1頭だけ生きていたが死す。

1927年、すべてのシリアノロバは地球上から永遠に消えてしまったのだった。


 

種類・奇蹄目 ロバ科

食べ物・砂漠の中で草や木の葉を探して食べていた。

大きさ・肩高90cm、体重150kgで今生きているアジアロバは体重290kgなのでかなり小さかった。

 

生息地・シリア・サウジアラビア・イスラエルイラクの砂漠地帯に住んでいた。