頭の上のツノは、長さ70cm。
正面から見ると大きく曲がった形が、ハートマークに見えた。
ハート型の珍しいツノは、古代エジプトの王の墓にも埋葬されていたほどの珍品だったのだ。
また、長い顔のに上部に位置していたカワイイ目は、いつも黒い色をしていて、なんとも哀しげな顔に見えたそうだ。
そんな、哀愁のキタハーテビーストが、なんで絶滅したかって言うと、19世紀頃にヨーロッパからの移民達が、放牧していたウシの食料になる草を、キタハーテビーストが食い荒らしてしまったのだ。
キタハーテビーストは、害獣として狩られる。
思いのほか肉が美味しく、毛皮もなめし皮で利用価値が高く、ヨーロッパの市場では高値で取引されたのでした。
すぐにお金になる事を知った移民たちは、争うように手当たり次第に撃ち殺していったのだった。
そして、哀愁の生き物は笑えないまま、1923年に絶滅したのでした。
種類・偶蹄目 ウシ科
生息地・北アフリカ、アトラス山脈。