ツノは、攻撃の武器にしたり身を守るための道具であり、メスに対してのセックスアピールの道具でもある。
ションブルグジカは、シカ史上最も枝分かれの数が多いツノをもったシカなのだ。
そのツノの枝分かれした数は22本、多いシカでは33本あった。
長さも70cmもあったのだ。
そんな御立派なツノが、逆に悲劇の原因になってしまったのだった。
生活していた湿原は、人口増加にともなって急速に水田に変わっていった。
棲みかを追われたションブルグジカはしかたなく森に入っていった。
彼らの持っている立派なツノは森の中で暮らすには不向きだった。
自慢のツノが邪魔になって動きの鈍くなったションブルグジカ。
見事なツノを狙っていた貪欲ハンターの攻撃を受けてしまう。
ツノは、漢方薬として高値で売れた。
肉は食用にされシカバーガーかシカステーキになってしまった。
ツノを持っていたのはオスだけだったけど、ハンターたちは狩りやすいという理由で群れごとみな殺しにしてしまった。
生息数は激減したのに何の保護政策もうたなかった。
80年以上前のタイじゃしょうがなかったのかも知れない。
そして、1931年に最後の一頭がツノ目当てに殺されて絶滅したのでした。
種類・偶蹄目シカ科
食べ物・早朝と夕方に水辺で水生植物や低木の葉・草類を食べていた。
大きさ・体長1.8m・肩高1.1mで体格的には、今のシカと比べても特別デカくない。
生息地・タイ