ニュージーランドの原住民マオリ族にとっては神聖な鳥だった。
先端が白いホオダレムクドリの尾羽は、酋長だけが儀式の時に髪飾りとして使用できる珍物だったのだ。
夫婦仲の良いホオダレムクドリは、大好物の虫をとる時も仲が良かった。
口ばしの鋭いオスが木に穴を開ける。
そして、口ばしの長いメスが虫を取り出すのだ。
また、こんな伝説もある。
新婚の男が、ホオダレムクドリの羽で飾られた頭がい骨の夢をみたら女の子が、シラサギの羽だったら男の子が生まれるそうだ。
そんなムクドリが、なぜ絶滅したのかっていうと。
20世紀初頭に、ニュージーランドを訪れたヨーク公(のちのイギリス国王)夫婦がホオダレムクドリの運命を激変させたのだ。
ホオダレムクドリの羽を贈られたヨーク公は、たまたまそれを帽子につけた。
それを見たニュージーランドやヨーロッパの金持ちや貴族たちがロイヤルファッションとしてまねたのだ。
そこら辺は、今も昔も変わらない感覚だが、保護意識が薄い当時は、帽子の飾りとして乱獲が始まり、大量に捕獲されて激減。
さらに、島への出入りが多くなったヨーロッパ人が、オコジョやキツネなどの肉食獣を持ち込んだのも絶滅の理由のひとつだろう。
もともとニュージーランドには肉食獣が存在してなかっただけに、防御の仕方をを知らない島の生き物は食い物にされたのだった。
1907年に絶滅
種類・スズメ目 ホオダレムクドリ科
食べ物・くちばしで木に穴をあけ中の虫を食べていた。
大きさ・全長50cm
生息地・ニュージーランド北東の南端。