ミカズキツメオワラビー

ミカズキツメオワラビーの「ミカズキ」は、肩の脇に三日月型の模様から、「ツメオ」は尾の先が3.5cmくらいの円鐘形の角質になっているところから名前が付けられた。

オーストラリアの移住者アボロジニは、ミカズキツメオワラビーの独特の行動でもある手をグルグル回すようすを見て「手回しオルガン弾き」とも呼んだ。

アボロジニは、狩猟をする時に犬を連れていたが、その犬が野生化になりディンゴとなる。

ディンゴは自分より強い生き物がいないオーストラリアで、ミカズキツメオワラビーなど弱い生き物に襲いかかった。

 

しかし、それが絶滅に追いやるほど絶望的な事ではなかった。

ミカズキツメオワラビーの最大の敵は、やはり移住してきた人間だったのだ。

大陸を開発するにつれて、ミカズキツメオワラビーの生息地も徐々に縮小。

さらに、アナウサギなどを移入。アナウサギは徹底的にミカズキツメオワラビーの巣などを攻撃した。

また、適度に動きが素早かったために、スポーツハンティングの標的に抜擢!

ガンガン射殺されて大激減!

 

1904年~1911年までに、23頭が捕獲。

ただし、保護されたのではなく、イギリス・大英博物館で標本となる。

それから53年後の1964年に、最後の1頭が射殺されて地球上から永遠に消えたのでした。


 

種類・有袋目 カンガルー科

食べ物・草や木の根など。

大きさ・全長60cm

 

生息地・オーストラリア南部と中部のユーカリ林に生息