ケープアカビースト

ケープアカハーテビーストは、南アフリカの広大なサバンナに無数に棲息していた。

ヨーロッパからの移民であるボーア人はその数を見て「一生食っていけるな」と思ったそうだ。

17世紀に入り南アフリカに移民してきたボーア人は、家畜を飼い農場を作った。

しばらくすると家畜のウシに伝染病が広がりその発生源がケープアカハーテビーストではないかとカン違いされたのだった。

犯人にされたケープアカハーテビーストは、かたっぱしから撃ち殺された。

ボーア人がケープアカハーテビーストを撃ち殺すのは簡単だった。

なぜなら、ケープアカハーテビーストは敵をみつけてもすぐに逃げ出さずにジーと敵を確認する習性があったからだ。

追い詰められたケープアカハーテビーストには人間以外にも強敵が存在していた。

それはハエだ。

ハエが寄生して、幼虫が鼻に入って、肉をむしばみ生存力を極端に下げてしまうのだった。

1983年ごろには、野生は絶滅してしまったが農場を経営していたモ一族が55頭の群れを保護していた。

しかし、モ一族が破産してしまい保護されていたケープアカハーテビーストはすべて射殺されてしまったのだ。

希少動物と知らなかったのか、それとも、引き取り手がいなかったのか・・・射殺理由は不明だ。

現在では、ケープアカハーテビーストを確認できるのは、毛皮と古い書物の挿絵だけになってしまったのだった。


 

1940年に絶滅

種類・偶蹄目 ウシ科

食べ物・草食

大きさ・角は70㎝。

生息地・南アフリカのケープ地方のサバンナに生息。