ヤンバルクイナ

 

1981年(昭和56年)11月13日に沖縄からニュースが発信された。

『100年振りの鳥の新種ヤンバルクイナが沖縄本島北部山地で発見』という内容だ。

発見といっても山原[やんばる]地方の人たちは「ヤマドゥイ」と呼んで、昔から知ってる鳥だった。

この場合の、「発見」というのは鳥類学会で認知されたって事だそうだ。

 

当時の状況はこうだ・・・

1981年に国頭村の林道で交通事故で死に絶えた鳥を見つける。

その後、同じ年に国頭村で鳥類の調査をしていた山階(やましな)鳥類研究所の研究員が2羽の元気な鳥を捕獲。

記録写真を撮って足に調査用の足輪をつけて林に逃がす。

その後、いくつかの資料をアメリカ合衆国のスミソニアン博物館に送って調べてもらう。

そして「世界的な新種の鳥類発見」となる。

その翌年の1982年には、速攻で国の天然記念物に指定されたのでした。

 

そんなヤンバルクイナの悩みはこれだ!

悩みその1・・・交通事故

現在もっとも深刻な問題。過去5年間で17件の事故が発生、2004年の5月には4羽が死亡している。

事故が増えた原因として、夜行性で飛べないヤンバルクイナは繁殖期の3月下旬から8月ごろで県道などの道をヒョコヒョコと横切り移動するために、夜間に暴走する走り屋の餌食(えじき)になる事が多い。

対処法としては、スピードが出せない凹凸舗装などを道路に設置したり、怪我をしたヤンバルクイナの治療ができる「ヤンバルクイナ救命救急センター」の設置などしている。  

 

悩みその2・・・マングース

人間に多大な被害をだしていた毒蛇ハブを退治するために、沖縄本島と奄美大島に投入されたハブ退治の助っ人がマングースだった。

ハブよりも弱くて簡単に捕まえられるヤンバルクイナやアマミノクロウサギばっかりを襲ってしまったのだ。

今では、生息領域を徐々に広げてヤンバルクイナたちにとって脅威の存在となっている。

 

もともとは、人間が飼っていたネコも悩みのひとつだ。

ノラ猫も生きるのに必死なだけにタマゴやヒナを食べちゃう、かなりの強敵だ。

ネコ1匹に絶滅させられたスティーブンイワサザイなどの例もあるだけに甘く見てはいけない。

 

悩みその3・・・生息地の減少

1985年~2000年の15年間で森林伐採や道路建設、ダム建設で生息していた面積が約25%も減ってしまっているそうだ。

南側の生息ラインが約10kmほど北上してしまい、2000年頃には大宜味村で生息が確認出来ていたけど近年ではできてない。

 

そんなヤンバルのクイナの鳴き声はこんな感じ。

 

ヤンバルクイナの戦いはまだまだつづく・・・


 

あと約1000羽。

ツル目 クイナ科

全長30cm

沖縄本島北部の国頭(くにがみ)村の自然林に住んでいるよ。

 

※立体の大きさはこれです!